野村工務店の真髄を極めた人たちの集い
私たちは考えかたをあらためる必要がある。
思春期の脳が成長を続けているという事実を知っていれば、少し気が楽になるし、子どもたちにも余裕をもって接することができる。
「そんなことはおとなになれば卒業するよ」というおばあちゃんの直感的な助言は、実は最新科学の裏づけがあったのだ。
そう思うと、もう一度耳を傾けてみたくなる。
子どもたちのカウンセリングに携わる人たちも、脳に関する新しい研究結果がこの分野で展望を開いてくれると期待を寄せている。
P大学で、思春期の行動を長年研究しているE・Cは、切望していることがひとつある。
それは、神経科学の新たな成果が、児童心理学や児童社会学とともに、少年司法のなかで考慮されることだ。
アメリカの場合、犯罪をおかしたティーンエイジャーは成人として裁判にかけられることが多いが、その扱いについては異論も多い。
「もちろん政府の姿勢しだいだけど、司法が、子どもたちの発達事情にもっと心を砕いてくれたらと思うわ」ヴァーモント州でみずからティーンエイジャーの治療にあたっているが、彼も新しい知識を得て視点が変わったと語る。
脳の構造と行動は2人3脚で進んでいる、脳の作りが情動や経験を左右し、情動や経験が脳の基本的な組みたてに影響を及ぼす。
そうだとすれば、ティーンエイジャーがどんな種類の経験をするかということに、もっと関心を払わねばならないとFは主張する。
「私が心配しているのは、虐待や学校でのいじめなど、負の経験をくりかえし受けている子どもたちだ。
これらは神経化学的な状態と結びついているため、将来的に同様の事態を招きかねない、外部刺激に反応する経路ができあがってしまうと、似たような刺激があったときに、簡単に再現されてしまうんだ。
つまり神経生理学的な立場から言えば、思春期にいじめを受けていた子どもは、おとなになってからもいじめられやすいことになる」。
思春期の脳が、まだいろんな経路を構築中なのだとすれば、アルコールやドラッグ、さらには処方薬も決定的な影響を与えるのではないかとFは心配する。
たとえばADDは、放っておくと学校生活や友人関係に支障が出るし、薬物などの乱用を招きかねない。
そんな障害をかかえた子どもが、ふつうの生活を送りながら成人を迎えられるような新しい薬もたくさん出ている。
そうした強力な抗精神剤をティーンエイジャーに処方することが最近増えてきたが、薬が及ぼす長期的な影響はまだわかっていない。
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